直列6気筒ブロックシリンダ
詳細説明
こちらの製品は、自動車のエンジンを構成する直列6気筒ブロックシリンダです。
粗材は、減衰能に優れたねずみ鋳鉄であるFCA材(片状黒鉛鋳鉄)を採用しています。
ブロック本体にラダーキャップを組み付けたのち、Φ58×620mmのクランク穴を同軸度20μmで加工しました。ボアボーリング+ホーニング加工によりΦ86×120mmの穴を真円度10μmの高精度で仕上げております。
砂型鋳造粗材のため加工基準にバラつきがあり1台毎に所定の箇所を試し削りのうえ粗材の偏りを検査し加工寸法調整を行っております。
メインオイルギャラリー穴がフロント面からリア面に掛けて貫通しており、それぞれの面からガンドリルを使用した深穴加工を行いました。ガンドリルは、精度維持のため交換時期を台数で定め、予防的に交換を行います。加えて、両面からの長穴加工によるズレに関して専用のゲージを用いた検査を全数行っております。
鋳造品の硬度が一定でなく硬度が高い場合は、刃持ちが悪くツール管理に注意が必要です。特にクランク穴の溝加工の千鳥刃8枚刃のTスロットカッターは、チップにカケが発生していないか、一日一回、目視で確認を行っております。
クランク穴加工の同軸度20μm確保のため、防振ボーリングバーと1枚刃バイトを荒・仕上と2回に分けて加工しております。スラスト幅加工は1枚刃バイトで、ボア穴加工は2枚刃ボーリングを荒・仕上と2回に分けて加工していますが、いずれも刃持ちが良くありません。したがって、精度維持のため工程内において全数径測定を実施し、その結果を踏まえて公差中心値から25~30%以内に収まるように毎日刃具調整を実施しております。
すべての加工工程が終了したのち、測定・リークテスト・鋳巣確認をしたうえでお客様に納品いたしました。
